Microsoft SQL ServerをRDSで使うときの選択のポイント
こんにちは、ガノタ市田です。
普段は基本Macなので、最近めっきりMS製品を使う機会が減りましたが、今回はMicrosoft系のネタです。
SQL Server for RDSで困ったこと
業務上、インスタンスを作成する前にバージョンやライセンスタイプを確認することが多いですが、バージョンやライセンス、インスタンスタイプの組み合わせで利用できない場合があります。
ところがいざ調べてみると、事前にどのインスタンスタイプが使えて、どういうライセンスで、どのバージョンが利用できるのかを把握するのに困りました。
特に困った理由は以下の様な点においてです。
DBエンジンの選択肢がビルド番号
SQL ServerのDBエンジンの選択で、プルダウンで表示されるのはビルド番号なので、実際のバージョンが把握しづらいです。
ライセンス形態によって使えるインスタンスタイプが異なる
組み合わせによって、想定していたインスタンスタイプが使えなかったりするので、事前に把握しておけると嬉しいと思います。
そこで、東京リージョンで調べてみました。
Express Editionで利用可能な範囲
利用可能なライセンスと構成、インスタンスタイプです。
ライセンスモデル | AZ構成 | 利用可能インスタンスタイプ |
---|---|---|
ライセンス込みのみ(BYOLは選択不可) | Single-AZ構成のみ | db.t2.micro bd.t2.small db.t2.medium db.m1.small db.t1.micro |
上記の組み合わせで利用可能なSQL Serverのバージョンは以下です。
DBエンジンのバージョン(ビルド番号) | SQL Serverバージョン |
---|---|
12.00.4422.0.v1 | SQL Server 2014 Service Pack 1 |
11.00.6020.0.v1 | SQL Server 2012 Service Pack 3 (SP3) |
11.00.5058.0.v1 | SQL Server 2012 Service Pack 2 (SP2) |
11.00.2100.60.v1 | SQL Server 2012 RTM |
10.50.6529.0.v1 | SQL Server 2008 R2 Service Pack 3(SP3) |
10.50.6000.34.v1 | SQL Server 2008 R2 Service Pack 3(SP3) |
10.50.2789.0.v1 | SQL Server 2008 R2 Service Pack 1 |
Web Editionで利用可能な範囲
利用可能なライセンスと構成、インスタンスタイプです。
ライセンスモデル | AZ構成 | 利用可能インスタンスタイプ |
---|---|---|
ライセンス込みのみ(BYOLは選択不可) | Single-AZ構成のみ | db.t2.micro bd.t2.small db.t2.medium db.m1.small db.t1.micro |
利用できるバージョンはExpress Editionと同じです。
Standard Edition(SE)で利用可能な範囲
利用可能なライセンスと構成、インスタンスタイプです。
ライセンスモデル | AZ構成 | 利用可能インスタンスタイプ |
---|---|---|
BYOL(自分のライセンスを使用) | Multi-AZ Single-AZ |
t2ファミリ m3ファミリ m4ファミリ r3ファミリ m2ファミリ m1ファミリ |
ライセンス込み | Multi-AZ Single-AZ |
m3ファミリ m4ファミリ r3ファミリ m2ファミリ m1ファミリ |
利用できるバージョンはExpress Editionと同じです。
Enterprise Edition(EE)で利用可能な範囲
利用可能なライセンスと構成、インスタンスタイプです。
ライセンスモデル | AZ構成 | 利用可能インスタンスタイプ |
---|---|---|
BYOL(自分のライセンスを使用)のみ | Multi-AZ Single-AZ |
t2ファミリ m3ファミリ m4ファミリ r3ファミリ m2ファミリ m1ファミリ |
Enterprise Editionで利用可能なバージョンは以下です。
DBエンジンのバージョン(ビルド番号) | SQL Serverバージョン |
---|---|
11.00.6020.0.v1 | SQL Server 2012 Service Pack 3 (SP3) |
11.00.5058.0.v1 | SQL Server 2012 Service Pack 2 (SP2) |
11.00.2100.60.v1 | SQL Server 2012 RTM |
10.50.6529.0.v1 | SQL Server 2008 R2 Service Pack 3(SP3) |
10.50.6000.34.v1 | SQL Server 2008 R2 Service Pack 3(SP3) |
10.50.2789.0.v1 | SQL Server 2008 R2 Service Pack 1 |
他のリージョンでは「ライセンス込み」のモデルが利用できますが、利用可能インスタンスのタイプに制限があります。
参考サイト
- SQL Server のバージョン (ja-JP) - TechNet Articles - United States (English) - TechNet Wiki
- Amazon RDS の Microsoft SQL Server - Amazon Relational Database Service
最後に
リージョンによって異なるようなので、違うリージョンで利用される際は、上記の通りではない場合があります。
また、ここで記載した内容は2016年9月7日現在のものになりますので、RDSやSQL Serverのバージョンアップなどに伴い変更になる可能性が高いですので、ご注意ください。
以上です。